ヤマハSR400&SR500のサイドカバー アルミ シェルの製作記(ビードの成型)
前回の一次成型で発生したシワを板金ハンマーとバッキングバーを使って取り除くとこんな感じになる。
使った工具はこの三点。左上のハンマーは板金用ではなくて、ホームセンターで市販されている中国製の安物トンカチなんだけれど、打面を板金用に加工してある。下側のハンマーはスナップオンのBF611B板金ハンマーで、手に持ったときの動的バランスが絶妙で一度使うと手放せなくなる。
二つのハンマーの違いは、スナップオンの方はなだらかな曲面となっており、安物ハンマーの方は表面を削って少しだけ曲面をきつくしてある。
反対側の曲面はこうなっていて、仕上げる曲面に合わせて4段階で使い分ける。打面を鏡面仕上げにして使う職人さんもいるけれど、私の場合はスカッチブライトでこまめに磨いてある。たとえ安物のハンマーでも板金用として加工したら、釘打ちには使わないようにしている。
こちらは手製のバッキングバーで、こちらも表と裏で曲面のカーブが異なる。バッキングバーは作業に合わせて色々なタイプを使うけれど、今回使ったのはこれだけ。
こちらはビード成型するためのコンクリート製オス型とメス型。ビードを押し出す部分はスライド式になっていて、一次成型したアルミシェルを内側から押し出すという方法。
フランジ部をトリムしてビード成型するとこうなる。一次成型後に焼きなましをしなくても割れることはなかったけれど、やっぱりコンクリートだと精度がだせないので、部材をしっかり押えることができずにシワが発生してしまった。気分的にちょっとめげるがとにかく最後まで進めたい。
一次成型後と同じように、板金ハンマーとバッキングバーを使いシワを取り除くとこんな感じになる。光を反射させると小さなデコボコが見える。だんだんと思い描いていた仕上がりから離れてきている。
サンドペーパー400番から800番を使って仕上げに入るが、アルミ板の厚さが0.5ミリなのであまり削れない。もっと厚い部材を使えばよかったと後悔する。この後はポリッシュ・コンパウンドで磨いて、いよいよ車体への取り付けとなる。