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Restart 1980 YAMAHA SR500

1980 YAMAHA SR500 Engine restarted after 10 years.

ヤマハ1980年型SR500

10年前にイーベイから落札して買った中古のバイク。ヨセミテのワインディングロードを走りたいと、衝動的に手に入れてしまった。日本ではけっこうポピュラーなバイクだけど、アメリカではビックツインのハーレーの影に隠れてあまり知られていない。それでも愛好家はいるらしくて、オリジナルのパーツは高額で取引されていたり、わざわざ日本から輸入されていたりする。

私はずっとシングルエンジンばっかり乗っていたので、この時もやっぱりSR500を選んだ。SRは今時ミニスクーターでさえセルスタートなのに、前近代的なキックスタート。それだけで絶滅種だと思うのだけど意外と35年以上のロングセラーになっている。

このバイクを探しているとき、「ヤマハはまだこれ生産しているし、新車で手にはいるんだぜ」とアメリカ人のオーナーに言うと「オーマイガー、アンビリバーボー」とビックリしながら喜んでくれた。

10年前から時が止まったまま

当事バイクを手に入れたが免許がない。と言うよりバイクがないと免許が取れない。

なぜならDMV(日本で言うところの試験場)にはバイクがない。だから技能試験受けるには自分のバイクを持っていかないといけない。それで試験を受けに行こうとしたのだけどやめてしまった。 怖かったのである。うまく説明できないが一速か二速でゆっくり曲がるだけで心臓がバクバクしてめまいがする。額からは冷や汗がだらだらだった。バイクってこんなに怖かったのかと思った。

就職したての頃、ダンプカーに巻き込まれて危うく死ぬところだったが、幸運にもヒジと膝をすりむいただけの軽症。ヘルメットの左上に残った大きなキズを見つめながら、やっぱりヘルメットって大切だよなと思った。それでも乗り続けた。 あの頃、出口の見えないコーナーへも突っ込んでいけたけど、今にして思うと若さとはそれだけで無謀なのだろう。

とにかくバイクに乗るのが怖くて、それっきりカバーを掛けて封印してしまった。そのうちに気が変われば、また向きあえる日が来るかもしれないと10年が過ぎた。

自転車がきっかけとなる

意外にもまたバイクに乗ろうと思い始めたきっかけが自転車だった。週末自転車に乗るたびに、顔に受ける風の心地よさと体を傾けながらコーナーをすり抜ける疾走感を思い出した。そうだった、高校生の頃バイクに乗り始めたときもやっぱり自転車がスタートラインだった。

それで「あのバイク、エンジン掛かかんのか」ということになった。

10年放置でエンジン掛かるわけがない

絶対無理だよなと思いながらキックする。やっぱりプスンとも言わない。プラグがスパークしていない。これはしっかり腰を入れて整備しようと、バッテリーの交換、プラグのチェック、電装関係の電圧を確認するがやっぱり掛からない。

しかしアメリカのバイク屋って古いバイクを見てくれない。もしかしたら同じような症状から復帰できた人がいるかもしれないとネットで調べてみると、プラグが悪い、プラグコードの劣化、イグニッションコイルの不良、チャージシステムが悪い、CDIの不調などなどの指摘があった。

でも具体的にどう対処したのか結論がない。せっかく記事にするなら最後まで書いてほしい。あきらめてマニュアルと格闘しながら、一つ一つ交換してみることにした。

私の場合のトラブルと対応

このバイクを買ったときに私はSR500を二台入手にした。一台は可動していたこのバイクでもう一台は前のオーナーがレストアしていた1979年型のSR(おまけみたいなもの)。でもこれは途中で挫折したらしくて、結局パーツバイクになっていた。だからほとんどのパーツは予備がある。

まずジェネレーターだけど、これはバッテリー無しでキックした時に少しだけニュートラルランプが点く。なのでとりあえずは発電していると認識。でもほぼ新品のスパークプラグでも火花が出ない。次にコイルを交換するが変わらず。

そしてCDIユニットを交換すると軽くキックするだけで火花が出だ。

始動するも回転があがらずエンスト

プラグの火花を確認して早速キックをするもなかなか始動してくれなかった。とりあえず燃料はシリンダー内に届いている。汗だくになりながらキックを続けているとボロボロンとエンジンが動き出した。

「やった!」

回転が安定しないがどうにか動く。でもアクセルを開けるとプスンとエンストする。そのうちにキャブレーターから燃料がオーバーフロー。さらにアクセルそのものが動かなくなった。これはキャブのオーバーホールだなと腹をくくる。

ボロボロのキャブレーター

10年だもんな10年、長いよ。その間ガソリンが抜けてホコリが入って、腐食も出てきて、さらにガスケットもOリングも劣化していないわけがない。

とりあえず分解して念入りに洗浄して、バイパスとか小さな穴の詰まりなんかも取り除いた。ガスケットとOリングは意外ときれいな状態だった。しかしダイアフラムがヨレヨレで劣化というよりもう硬化している。

ダイアフラムは三ヶ所ある。予備のキャブから使えるものを取り出したものの、一つだけ両方とも硬化して使えない。しかも現在では入手不可能なパーツ。

ダイアフラム再生

仕方がないので自作することに、調べてみたら他のパーツのダイアフラムを流用する方法があった。ダイアフラムは絹の布を両方からゴムでラミネートしたものらしい。つまりゴムシートみたいなものだから加工が難しいわけでもない。車用の新品ダイアフラムを入手し、それを分解した古いSRのダイアフラムと交換した。

目覚めるエンジンとご近所の目

組みなおしたキャブレターをエンジンに取り付けて、キックしてみると数回のキックでエンジンスタート。アクセルのレスポンスも問題なかった。すぐにでも道路に飛び出したいが免許がないので、アイドリングしながら時々アクセルを吹かす。

このSRはノーマルマフラーからスーパートラップに付け替えてあるので音がうるさい。早速となりの親父さんが飛び出して来た。「スミマセン、音がうるさかったら遠慮なく言ってください」と伝えると「それくらいないならノープロブレムね」と言ってくれたが、わざわざ家から出てきたって事はやっぱりうるさいんだよね。

とりあえずはエンジンは掛かるし、走り出せる状態にまでなったので一安心。でもこの10年の間に向かいの家には新しい家族が入ってきて、生まれたばかりの赤ちゃんもいる訳で控えめにしないといけないなと反省。

★それでもSRのエンジンに翻弄される日々は続く

免許どうしようか

この後の課題としては、まずDMVに行って筆記試験を受ける必要がある。それから保険に入ってしばらくは仮免状態で練習する。自信がついたところで技能試験となる。お金も時間もかかるが、車を一台買うよりははるかに安い。普段の生活では断捨離を進めているが、あるものは有効活用したい。

バイクと向き合う時間

それにしても一度整備を始めると楽しくて仕方がなかった。写真を撮るのもブログに記事を載せるのも忘れるほど没頭してしまった。ゆっくりだけど汚れを落とし、さびを取り払い。アルミ部品を磨いてゆこうと思っている。私自身の心の準備もゆっくり進めたい。

★マイペースでSRレストア