50円でフィルム一眼レフカメラをデジタルハイブリット化する方法【後編】

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前回の記事はこちら!

古いOM-PCを使った【スクリーンカメラ屋外撮影編】の一枚目がこれ。撮影に使っているコンデジはソニーのサイバーショットDSC-WX50。撮影モードは全てプレミアムおまかせオートを選択している。

この記事に載せた写真は、どれも画像ソフトで適正化のため少しシャープニングを入れてある。でも色調とコントラストは変えていない。それでてっきり猫写真のときみたいにトーンダウンするのかと思っていたが、この写真のようにコントラストが強目の写真になっていた。またフレームの上辺が暗くなる傾向がある。なぜだか分からないがOM-PCとコンデジの光軸が合っていないのかもしれない。

こうやって見てみるとフィルム写真というより、暗い部屋でポジフィルムのスライドを見ている感じがする。私が期待していたのとは異なるがこれはこれで悪くない。

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中央の一番奥にピントを合わせた写真。柱が少し湾曲しているのが分かる。それと右上角の部分に色ずれらしきものが見える。

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斜め右上の前方から光が差し込んでいる写真。ここまでくると色合いはデジカメとあんまり変わらない。

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こっちは左斜め後から光が差し込んでいる写真で、ボケの感じは50ミリレンズそのままだけど、色合いはやっぱりデジカメと同じ。

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順光で空を見上げている写真。これって偏光フィルターを使っていないのだけど、このコントラスト感はなんなんだ。

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光が透過する葉っぱの写真で、この感じはちょっと気に入った。

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ちなみにコンデジのイメージサイズは[2592 X 1944]を選択している。

一つ前の写真をフルサイズにして切り取った写真がこれ。つまりこんな感じでフォーカシングスクリーンに映像が投影されている。ざらざらと言うか、このでこぼこ感がスクリーンの表面ということになる。でもブログで[2592 X 1944]の写真を貼り付けることはないので気にしていない。

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巨大なクリスマス飾りとストリートの風景。一点から強い逆光を受けるとこんな感じになり、暗くても通りを歩く人がちゃんと写っている。これはコンデジの多重露出が効いているのだと思う。

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チョークボードのメニューとレンズすぐ手前にある植物のボケ具合はこんな感じ。

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ピンボケした横断歩道のボタン。日陰で周りが暗くなるとピントが合わせにくい。

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それから青く澄み切った空と映画館のネオンサインなんだけど・・・

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実際はこんな感じでファインダー内の埃が写り込んでいる。それらを取り除いたのがひとつ上の写真。デジタル一眼もセンサーに埃がかぶってしまう問題があるらしいけどけっこう気になる。

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なにげに噴水のオブジェを撮る。意図しなかった陰影がついておもしろい。

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横断歩道のボタンと同じで、撮影場所が暗いとピントが合わせにくくトーンダウンする。

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フレーム内のおよそ1/4が逆光で一部が反射している。全体としては少し暗い場所のほうがフィルム写真風になるようだ。できればこんな風に撮りたい。

【50円デジタルハイブリットカメラのまとめ】

  • 結論から言うと、フィルムを入れたカメラで普通に撮影して、そのフィルムをスキャンしてデジタル化すればいい。でもこっちだと現像代が必要ないので節約写真家にはお薦めと言える。
  • どんなにコンデジ側の解像度を上げても結局スクリーンの表面を撮っているだけなので、描写にこだわりたい場合は無意味なカメラとなる。だから引き伸ばして写真展に出したいとかコンテストに応募したいといった場合は不向き。でもブログやツイッター、インスタグラムには調度よい。
  • コンデジでフルサイズ一眼(50ミリ)のボケ感を出すのは無理なので、その点についてたった50円のコストパフォーマンスは素晴らしい。
  • 当初イメージしていたようには撮れてなくて、本当にフィルム写真を撮っているつもりで向き合う方がよい。もう少し練習しながらコンデジの設定を変えてみるとまた雰囲気の異なる写真が撮れると期待している。
  • 今回このカメラだけで撮り歩きしてみたが重たかった。重すぎて肩が痛くなった。片手で撮るなんて無理。それから50ミリレンズはまだよかったが、35-70ミリのズームだったり200ミリ以上の望遠レンズをつけると、いきなり難易度が高くなるので使えない。

それにしても50ミリレンズだけでも意外と楽しかった。普段は27-810ミリのズームを片手で使っているので便利ではあるが、たまには自由度を狭くするのも悪くない。

もちろんフィルムを入れて写真を撮る事も忘れてはいけない。一枚一枚、露出を考えたりピントを合わせる作業が、面倒でありながらも楽しく思えてくるだろう。

もしタンスの奥に忘れかけた古い一眼レフがあれば、少しでも活躍できる機会を与えてほしいと願う。

【フィルム一眼レフカメラの雑感】

高校を卒業して就職したての頃、京都まで撮り歩きの旅行に出かけたことがある。お金がなかったのでフィルムは24枚撮りが一個だけ。行程を考えてその24枚を計画的に使わなくてはいけないわけで、どのシーンでシャッターを切るかと悩んだ。

仕方がないのでカメラを構え長い時間ファインダーの中を見つめる。そして気持ちだけシャッターを切る。(それだとタダ)

最近のミラーレスカメラだと少し説明しにくいのだけど、フィルム一眼のファインダーの中は映画館のようだといつも思う。閉ざされた空間というか没入感がある。

シャッターを切らずに気ままに切り取る風景は、とても印象的であったりドラマチックであったりする。そのときの写真はもうどこにあるか分からないが、その記憶はしっかり頭の中に残っている。

と言う訳でこれから先もフィルムカメラとの付き合いは続いていく。

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