時間の流れに取り残されたとってもローカルなフラボブ空港【前編】
フラボブ空港はロスアンゼルスから東へ車で2時間ほどのところにある。少し寂れた街外れにあるローカルな空港。プロペラの音が遠くから聞こえてきて、小さな飛行機が風にのって降りてくるような場所だ。
空港の正面らしきゲートを抜けると小さなカフェが出迎えてくれる。ここには慌しい人の出入りも発着案内のアナウンスもない。このすぐ向こうに滑走路が走っているなんて誰が想像するだろうか。
ここに来るまでフリーウェイをずいぶんと走ってきた。早速一休みしようと思ったのに、しばらくテーブルがあくのを待たなくてはいけない様子。まだ昼前なのにちょっとびっくりした。
空港にあるカフェらしく飛行機に関するインテリアで統一されていて、オーナーの心遣いが感じられる。
暖炉の上には、どこかで会ったことのあるようなパイロット姿のおじいさん。
店の入り口横には、これまたパイロット姿のスヌーピーが犬小屋の上に乗っている。
その小屋の中には怪しいスヌーピーがいた。(誰かお風呂に入れてやってくれ)
カフェの前に車を置いて歩きはじめる。すぐにライト兄弟の複葉機が目に入ってくる。この建物の中で、ライトフライヤー号の複製を製作しているらしい。残念ながらこの日は締まっていた。
滑走路沿いに並ぶハンガーには、事業用の飛行機が置いてあったり、個人オーナーの飛行機が大切に保管されていたりする。ビーチチェアに座っているおじいさんに「写真撮ってもいいですか?」とたずねると快くハンガーの中に招き入れてくれた。
コックピットの中も撮りなさいとドアを開けてくれる。どうやら自慢の飛行機らしい。新品に見えるがとても古い機体で、何度もレストアしながらこの状態に仕上げたそう。
せっかくだからとエンジンフードの中も見せてくれる。ピカピカのエンジンは、つい最近シリンダーを交換して絶好調なのだとか。
このおじいさんのハンガーはとても居心地が良さそうだ。奥には小さな工作室とパーツルームがあって、何気に自分が飛んでいる写真が飾られていたりする。週末はここでのんびり過ごしているのかもしれない。すっかりお邪魔してしまい、お礼を言って滑走路へ向かって歩き出す。