最も電気を消費する夏に最も電気代の安いこの矛盾

今月電気代の請求は

今月電気代の請求は?

妻が「今月の電気代19.78ドルだったわ」と少し嬉しそうに言う。(7月は12.38ドル)毎年の事なので、私は「あ、そう」と答え、会話はそれで終わる。

省エネした結果というわけではない。我が家の場合、夏になると電気料金が安くなるので、気が緩んで他の月より電気の消費は増える。

一般的に暑くなると各家庭がエアコンを使うので、地域全体の電力消費が急激に増える。その影響で発電所の負荷が大きくなったり、変圧器に不調が発生するので、電力会社は消費電力のピークをどうにか抑えたい。

そこで登場するのが「エアコン・サイクル割引」と言うサービス。

これに任意で加入すると夏の間の電気代が割引される。今月の電気代で言えば約45ドル分が割引きされている。ただし電力会社がピーク電力を抑えたいと判断した場合には、我が家のエアコンは強制的に使えなくなる。

つまりエアコンの使用をピーク時にガマンできる家庭は、がっぽり割引してくれるという仕組みだ。だから「最も電気を消費する夏に、最も電気代が安くなる」という変な状況が生まれる。

ちなみに朝から暑くてその日猛暑なると判断した場合は、午前中のうちからエアコンを入れて家の中全体を冷やしておく。さらにカーテンを閉めきって家の中に入る陽射しもカットする。それで昼頃にエアコンが使えなくなっても、午後二時頃くらいまでは涼しい。それからあとは扇風機を使えば夕方まではどうにかなるわけで、日没にはまたエアコンが使えるようになる。

ここで私がいつも思うのは、夏になると「省エネ」をしようというヤル気がなくなることである。これって社会全体としては良い事なのだろうか。それと例えば原発を無くしたいとか、火力発電を減らしたいと考えた時に正しい方向に進むのだろうか。

などと涼しい部屋で悶々と考える夏がまた過ぎていく。原発反対運動の人とか、今日もコンセント抜いただろうか。