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いつか日本に小さな家を建てて、アメリカと日本を行ったり来たりできるような生活ができればいいなと、けっこう真剣に考えている。

それは山のふもとに山小屋のような家をセルフビルトで建て、目の前には自分で耕した畑が広がり、その向こうに季節ごとに手入れをする桃や柿、そして梅の木が並んでいる。夕暮れになれば煙突から白い煙がのぼり、ぼんやり夕日を眺めながらお風呂に入る。

なんて計画を妻に提案してみたら「そんな田舎はイヤ」と一蹴されたことがある。

それではと、どこかの地方都市で駅から少し離れた場所に20坪くらいの土地を見つける。四角い箱のような家は、狭いなりにも居心地のよい部屋が二つあればいい。スーパーや商店街へは歩いて行けて、気が向いたらいつでも図書館に出かけたり、おいしいコーヒーの飲める喫茶店がある。

そんな街中狭小ハウスのプランは「考えてもいいわ」と前向きな回答をもらっている。

そんなささやかな住まいでも土地を探して家を建て、あるいは中古の家を見つけるわけで、物件にもよるが大きなお金が必要になる。

私は日本の不動産サイトを見るのが好きで、それは自分とはまったく縁のない土地ではあったりするが、家の外観や間取りを見ながらグーグルマップで場所を確認し、ストリートビューで近くにある駅や神社を歩いてみたりする。

それはネットで体験する小さな旅のようでけっこう楽しい。

日本のどこに行っても空き家だらけの時代に

日本中の不動産を見ていると、おおむね値段が下がってきているのが分かる。

例えば駅から15分以内でも300万円以下で買える地域が出てきた。とうぜん東京や地方都市では無理だが、地場産業が衰退した地域などはそんな値段になってきている。日本の人口が減ってきている事を不動産の価格から実感できるというのは妙な気分だ。

さらに、バブルの時代が歴史の一ページとなる月日が流れ、もはや中古住宅がただでもらえる時代に入ってしまった。

その理由に、空き家問題と不動産屋がそんな物件を扱っても利益にならない構図が見えてくる。例えば100万円の物件の場合、仲介手数料は売買価格のおよそ5%なので5万円となる。不動産屋が頑張って契約にこぎつけたとしても利益は5万円、50万円ならその半分の2万五千円、たぶん経費を考えたら扱いたくないだろう。

不動産業者に敬遠されてしまうと、空き家の処分はもっと難しくなる。

空き家って持っているだけで固定資産税や管理するための手間がかかるわけで、さらに人の住まない家は急速に傷んでくる。「売れない→老朽化→さらに売れない→維持費がかさむ→売っても費用を回収できない」のデススパイラル。もうこうなったら無料でも処分したくなるのは想像に難しくない。

ちょっと待ってその小屋暮らし計画

以前、都会を離れて土地を買い求め、六畳ほどの小屋を建てる人たちのブログ記事を書いた。

例えば、山奥に土地を買って手作りの小屋を建てると全部で50~100万円くらい。別のケースだと広い250万の土地に50万ほどの費用をかけた六畳小屋だったりする。

それらは、これまでの既成概念を吹っ飛ばしてしまうコストパフォーマンスの高さではあったが、もし同じような事をしようとしている人がいたら、計画を実行する前にもう一度考えるべきだと思う。時代はものすごい速さで変化している。

BライフからB+ライフいや視点を変えれば、お金をかけないAライフがあるとしたらどうだろうか。

そもそも電気もガスもない生活ってどうよ。お風呂もないし当然ながらトイレもない。とても辛い生活だと想像する。それでも都会で人間関係に疲れるより、あるいはブラック企業にこき使われるよりはずっとマシと反論されるかもしれない。それは否定しない。

東京で消耗するのがイヤなら新しい土地に移住すればいい。もし社畜がイヤなら自分らしいライフスタイルを見つければいい。

そんな何かのきっかけになるサイトが「家いちば」
http://www.ieichiba.com/

ここでは不動産屋があつかってくれないような価格の安い物件を紹介している。基本的には掲示板なので不動産仲買業ではない。つまり買いたい人と売りたい人の情報交換サイト。

このサイトが見ているだけで楽しい、もちろん真剣に読んでいる。普通にン千万もするような物件もあるが、土地も家もただで譲りますという物件がいくつも掲載されている。たいていは田舎か寂れた町ではあるけれど、なにげにタダ!

電気もガスもあるし、もちろん水道だって蛇口をひねれば出てくる。小屋を建てる時間と労力があれば、雨漏りを直して、壁を塗り替える方がずっと楽だ。もう喜んでやるね。

この先、そんな物件が増えてくるのだろう。

これからの住まいの価値観

日本に帰っても住む場所にこだわらなければ家を持つことができる。そんな時代が来るなんて想像もしていなかった。自らババ抜きのババを引こうとしている自分は、単なるおバカなのかもしれない。

都会に比べれば多少は不便かもしれない。でももしかしたらジョーカーばかりじゃなくて、ハートのエースがまぎれているかもしれない。仕事を見つけて住むだけじゃなく、例えば信州にバイク仲間の集まるライダーズハウス、九州の山奥に一棟貸しの古民家、瀬戸内海の小さな港街でセレクトショップなんてどうだろう。勝手な妄想が膨らむ。

もちろん簡単な事じゃない。でもネットがつながる今の時代なら、地方は決して誰にも知られない場所ではなくなってきている。

それにだれも住まず朽ち果てるより、その土地に根付く人がいるのなら誰かが住んだほうが良いに決まっている。建てた人の想いもきっとあるだろう。

ある程度のリスクはあるが、ローンを組むリスクよりはるかに低いと考える。最低でも処分したいときにタダで貰ってくれるような物件を見つけることが大切なポイントだろう。