「ムーチョ・メキシコ」には耐えられない!
カリフォルニアにいると必然的にメキシコ料理が好きになる。
タコベルはあまりにも有名だが、本場のメキシコ料理に較べると別物だと思う。口ひげの端っこが少しひねりあがった怪しいおっさんが屋台で売るタコスや、英語で注文しても横目で無視されるような店が実は安くて美味い。
今回はスーパーの棚にあった「ムーチョ・メキシコ」に目が止まった。私はその商品名がとても気にいった。たった99セントで「とってもメキシコ」な気分になれるハズだ。
パッケージはレッド、オレンジ、グリーンの三つがある。これは辛さの度合いを示していると思われる。ここは初心者的なグリーンを選ぶべきだし、上級者の赤にはあのハバネロが入っているかもしれない。
「さすがメキシコだ」
取説の一番目が「シェイク」である。これはきっとマカレナの曲に合わせながら、マラカスを鳴らすように振る意味だと思う。「しまった、ふたつ買うべきだった」と後悔する。
▼念のためマカレナで踊りたい人のために!
https://www.youtube.com/watch?v=XiBYM6g8Tck
フタを取ると軽い刺激臭に襲われ不安になる。
黒い昆布のような物体が何なのか気になるがとにかくお湯を差す。取説では水なのだけど、ここはカップヌードル的にお湯を差した。後は電子レンジの時間を低めに設定しながら調理したい。
そして電子レンジで中身がグツグツ言うあたりから、ものすごい匂いがキッチンに広がる。まるで腐ったピーマンをクリームシチューで煮込んでいるかの臭さだ。
こ、これは無理、もはや食べ物ではない。
換気扇を最大にしながら「メキシコの皆さんゴメンなさい」と謝罪したのち、捨てようと決心する。
電子レンジから取り出すとカップの中はこんな感じ。
思わず「何じゃコリャ」とつぶやく。まるで井戸の底をのぞいているような錯覚に陥る。ライス系は量が少ないって事をすっかり忘れていた。いったい何回買ったら私は学習するのだろうか。まあこの量なら心おきなく捨てる事ができるから、今回はこれで良しとしたい。
念のためブログ用の写真を撮る。
で、よく見るとチキンらしきものが見える。これくらいなら食べても死なないだろうし、それなりの感想も書けるハズ。前歯で恐るおそるチキンだけを食べる。
「えっ?」これはまるで本物のチキンのようだ!
歯ごたえと言い、味と言い、これが乾燥食品とは思えないうまさ。相変わらず腐ったピーマンの様な匂いがするが、ちょっと慣れてきた。一口くらいなら食べれるかもしれない。
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「アハハ」気がつくと全部食べてしまった。とっても美味しかった。
あの匂いは一体何だったのかと思うほど美味しかった。タコベルで食べるスパニッシュライスより刺激的でしっかりした味。塩味が効いて、ハラペーニョの風味がよく表現されている。
あの昆布みたいなものは乾燥ハラペーニョかもしれない。この前食べたライスロニよりちゃんとゴハンになっていて、これは確かに「とってもメキシコ」だ!
欧米系の人達にとって、ゴハンを炊いている時の匂いは耐えられないと聞いた事がある。もしかしたらそれと同じかもしれない。そして少し冷めればテリヤキやテンプラ、スキヤキなどと一緒に世界中の人達に食べてもらえるのだろう。今回はとっても貴重な体験ができて面白かった。
▼ムーチョ・メキシコの評価(独断判定)
- 【おいしさ度】★★★★☆ 調理中の匂いに耐えれば普通に美味しい。
- 【完食満足度】★☆☆☆☆ ぜんぜん足りない。
- 【お買い得度】★★☆☆☆ 最低でも一食分に3個は必要
- 【直感健康度】★★★☆☆ インスタント系はこんなもん。
- 【リピート度】★★★★☆ 妻に見つからないように買いたい!