50円でフィルム一眼レフカメラをデジタルハイブリット化する方法【前編】
これはアメリカのイーベイから中古で手に入れたオリンパスOM-PC。日本では「逆光強くん」と呼ばれるOM-40の事。このカメラはOM-1やOM-2より性能的に優れているのだけど、なぜか人気がなくて捨て値みたいな価格で手に入る。
どうしようもないカメラと思ったけど、1985年の発売当時ESP測光を採用した逆光補正とプログラムモードを搭載した普及型としては高性能なカメラで、日中ならデジカメのAUTOモードに近い感覚で撮れる。
実際に使ってみるとなかなか良いカメラで、私としてはOM-2と同じくらい気に入っている。四角形を基本としたデザインで全体的にゴツゴツ感がある。でも全然古臭さを感じない。
ただひとつ、シャッター音に違和感がある。シャッターを切ると「カシャシャン」と変な音がして若干遅れているような錯覚を覚える。ただしタイミング的に遅延があるわけではなく、ミラー部が採光用と反射用の二枚になっているため、その動作上の影響らしい。
だからこのシャッター音のせいで、せっかくのチャンスを逃がした気分になってしまうのだろう。それで人気がなかったのかもしれない。
私はそれほど厳しい被写体を狙っているわけではないから、慣れてくるとこの「カシャシャン」という音が妙に心地よく聞こえてくるから不思議だ。
今回はこのカメラとコンデジを組み合わせてスクリーンカメラを作ろうと思う。と言っても前に作ったスクリーンカメラで被写体が上下左右逆に写る問題を解決できなかったのでその妥協案となる。(最初からこれでやればよかった)
OM-10を犠牲にまでしたスクリーンカメラの顛末!
結果としてフィルムカメラでありながらデジタルスクリーンカメラにもなり、動画も撮影できて、取り外しも簡単な優れものだと自負したい。(さらに50円でフルサイズセンサーカメラが手に入るとか)
まずはホームセンターへ行って建築用の金具を用意する。一個50円くらい。材料はこれだけ!
そのままじゃ使えないので叩いてまっすぐに伸ばす。要するに鉄の板がほしかっただけ。
OM-PCのファインダー光軸とコンデジのレンズ光軸が一致するように位置関係を割り出し、それに合わせて板を曲げ固定用の穴を開ける。(実際は細かい手順が必要だけど説明が面倒)
1/4インチのボルトで仮留めするとOM-PCとコンデジがこんな風に合体する。ここで双方の最終的な光軸を合わせておく。
せっかくだからペイントしてみた。
「でハイブリットカメラの出来上がり」
やってる事の割にはメカニカルでものものしい雰囲気のカメラになった。ちなみにこの状態でフィルムも巻き上げられるし、シャッターもちゃんと切れる。
これがOM-PCのファインダー内をコンデジ(広角側)から見た映像。ファインダー内全体で露出が決められてしまうので少し明るすぎる感じがする。しかしこの状態で撮影はしない。
そこでコンデジをズームアップするとこんな感じになる。露出はアンダー気味になるので、明るめに調整する必要がある。それからどうしてもファインダー内の埃が写りこんでしまうが、これは後で画像ソフトを使って取り除く。
昼寝しているココロを撮ってみる。こんな風にトーンダウンしたソフトな表現ができる。これ「フィルム写真です」って言っても違和感ないだろう。
こっちは画像ソフトでコントラストとシャープネスを少し修正した写真。黒く写っていた埃も取り除いた。拡大するとスクリーンのざらつきが見えてしまうが、ブログやホームページの写真ならこれで十分じゃないかと・・・
トトロの猫バスでピント合わせの練習と被写界深度の状態をチェック。ピントは最初にコンデジ側をロックしてから、OM-PCレンズのピントを合わせる。この時フォーカシングスクリーンがフルフラットなのでピント合わせが少し難しい。そんな時は、わざとピントを前後にはずして、その真ん中を取るようにすると簡単に決まる。
という訳で明るい室内であれば問題なく使えるし、50ミリレンズのボケ感も十分表現できていると思う。ただし前回自作したときは逆光と白飛びに弱かったので、実際に街にでて使ってみたいと思う。
・・・後編へ続く。
顕微鏡の接眼レンズ越しに一眼レフで撮影するのを思い出しました。
オールドデジカメとはまた違った味わい深さで面白い。
デジスワップのようなスクリーンカメラが増えれば、
投影板の粒子が改善されて精細になりそうです。
クリアファイルやラミネートで板投影してみようと思います。
今時のやたら高精細で重いデータには疲れました。
ファンシーキャラグッズを千万画素級マクロで撮るような違和感。
白にゃんさま美しい。
違和感しかないのだが…笑