「ホントなの」EVに乗り遅れた日本はもうダメだトヨタもニッサンもダメだー

著名な自動車アナリストによる解説が興味深かったので、悶々と考察してみた。

【トヨタはEV戦争に勝てるか?】EV是非論を語る愚/EV100%にはならない/トヨタが垂直統合という誤解/テスラの3つの強み/BYDの成功要因

ぶっちゃけ、タイトルの意図がよく理解できないのだが、EVマーケットって白熱してるかな。アナリストによると日本の自動車メーカーには頑張ってほしいと願いつつ、テスラとBYDを無条件にほめたたえる内容となっている。なるほど、これだと電気自動車に真剣に取り組まないトヨタは時代遅れとなり、BYDにも追い越されてしまうのだと多くの人が感じるだろう。

この動画をみて、前に似たような状況があったよな、何だっけと思いめぐらせていたら、コロナワクチンのことを思い出した。当初ワクチン接種を受ければ、感染症に対して無敵の肉体を手に入れることができると主張する医師やインフルエンサーがいたけれど、いまではワクチンが有効であったかさえ分からなくなってきている。

テスラが成功しているかどうかは、まだ評価できる段階とは決していえない。BYDに関しても成功しているかどうかの前にアメリカでは見たことがない。製品に対する評価は、私達ユーザーが決めることであるから、そんな数年でテスラはすごい、BYDは戦略的に優れていると言われてもピンとこない。そもそも国の補助金(私達の税金)で電気自動車は優遇されているのだから、エンジン車やハイブリット車と同じ土台に立っていない。

この手の「EVにおいて日本のメーカーは遅れている」という話を聞くと、どうしても身構えてしまう。たとえ遅れていても私は構わないと思う。なぜなら、戦後において日本の自動車メーカーはアメ車の足元にもおよばなかった。それが今では世界中で日本車が走っている。そもそも日本人は先駆者になるような気質を持っていない。どちからといえば地道にコツコツ積み重ねて完成度を高めていく国民である。

それに電池メーカーだったBYDに電気自動車が作れて、日本の自動車メーカーが同程度の電気自動車を作れない訳がない。むしろ日本のメーカーは、まだマーケットが電気自動車を受け入れていないと判断しているのだろう。

最近、我が家に日産キックスがやってきた。セカンドカーとして色々と考慮した結果、ハイブリットではなく電気自動車でもなく、あえて古典的な(最近では時代遅れらしい)ガソリン自動車を選んだ。結論からいえばこれで十分すぎるほどだった。

購入を決めた判断材料としては、以下の5点である

  • 他社ではオプションになっているドライバーアシストとセーフティーアシストが標準で装備されている
  • 税金と車両保険を含めた長期的な維持費が安い
  • ドライビングポジションが高めで視界が広く運転しやすい
  • 個人的にコンパクトSUVでありながらスタイリッシュ
  • 登録費、税金、その他諸費用すべて含めて25,000ドルと納得のいく価格

このキックスに乗り始めてまず驚いたのが燃費である。スペックでは [City MPG 31]となっていたのだが、実際に走ってみるとガロンあたり34マイルを超えている。てっきりフリーウェイを走らないので、街乗りだけだとスペックを下回るだろうと予想していたが良い意味で裏切ってくれた。

 エンジンは1.6 リッター 122HPでパワー不足なはずなのに、けっこうな坂道を登ってもストレスを感じない。たぶんCVTがうまく機能しているのだろう。下り坂でもエンジンブレーキがタイミングよくスムーズに効いてくれる。

 ふだん乗りしている八年前のトヨタ車と比べるとずいぶんと進化している。この車を選ぶ際には電気自動車も考えたが、十年乗るならこれくらいの性能と機能があれば十分だと確信する。近い将来、電気自動車がいまより普及したとしてもこのようなガソリン車は残っているだろう。

南カリフォルニアでは、この三年くらいで電気自動車を見かける機会がずいぶんと増えた。そのほとんどがテスラである。いつかは街中を電気自動車が走るような時代が来るのかもしれないが、正直いってまだ多くのユーザーに受け入れられているとは思えない。

色々と電気自動車に対する議論がネットで交わされているが、EV推しの人たちの主張を聞けばきくほど「EVはダメなんだ」と感じてしまう。ある意味、必死すぎる彼らがEVの普及をさまたげてしまっている。ここであらためて議論をするつもりはないので、ネイティブ系?のEVユーチューバーの動画を見れば納得できると思う。

結局のところ、電気自動車はまだ不完全で実用的ではないのである。

私はときどき考える、人はなぜ「海の物とも山の物ともつかぬもの」を手に入れようとするのだろうか。ある意味、アーリーアダプターと呼ばれる人たちが犠牲になってくれているので感謝している。少なくともテスラの自動運転技術が確立されて、それを他のメーカーが採用してくれるか、業界のスタンダードになって普及してくれればいい。

石橋は、叩いて渡るものではなく、叩いて渡る人たちを確認してから渡ったほうが安全である。

【追記】動画で紹介されているメガキャスティングが優れているかどうかはさておいて、アルミダイカストのフレームを採用するということは、つまり車が使い捨てになる時代がやってくるのだと想像している。衝突でフレームが少しでも曲がったり破損した時点で、メーカーは部分修理ではなく全交換を求めてくるだろう。そうなると新車が買える値段になってしまう。自動車アナリストの方たちは、メガキャスティングの生産性だけではなく、ユーザー目線で解説してほしい。

関連記事:電気自動車がホントにエコなのかなんてどーでもよくて、持続的に使える移動手段なのかが見えてこない

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です