「まだ東京で消耗しているの?」ホント東京は絶句するほど不便な街だった

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以前「まだ東京で消耗しているの?」というイケダハヤト氏のブログを読んだとき、なんて上から目線なんだろうと憤慨したことがある。ここであらためて伝えたい。東京はホントに消耗する街だった。これは二年前からアメリカと日本を行き来しながら、延べ11ヶ月を首都圏で過ごした答えでもある。

あるネットアンケートに「東京は車がなくてもどこにでもいける便利な街だ」というのが上位に掲載されていた。これってずっと昔から言われていた事だし、あれだけ縦横無尽に電車やバスが走っていればどこにだっていける。つまりわざわざ車を所有する理由なんてない。

東京にやってきて、久しぶりに乗る電車は車窓を眺めたり、乗っている人たちをウォッチングしたりと観光気分だった。けれども移動するたびに残高が減っていく交通カードと異常なほどの乗客の多さがストレスに変わっていった。乗換えのたびに焦燥感のようなものがつきまとってくるのは、東京の街に慣れていないからという理由だけだろうか。

世界の乗降客数が多い駅ランキング

1 新宿駅 日本 350万人
2 渋谷 日本 310万
3 池袋 日本 253万
4 大阪(梅田) 日本 229万
5 横浜 日本 216万
6 北千住 日本 148万
7 東京 日本 115万
8 名古屋 日本 114万
9 ハオラ インド 100万
10 品川 日本 97万

参照: https://toukeidata.com/ 世界の乗降客数が多い駅ランキング

念のため、この統計は日本国内のランキングではなく、「世界ランキング」である。この数字だけをみても東京は異常である。

ちなみに新宿駅では混乱したまま改札をとおり、JR新宿駅ではないことに気がついたが払い戻しはしてくれなかった。東京駅では案内表示にしたがって駅を出ようとしているだけなのに、出口が見つからずヘトヘトになった。品川駅は何度も利用したが、正しく乗換えできたことは一度もなかった。日本にやってきた外国人はどうやってサバイバルしているのだろうか。

また、行く先々で延々と歩かなくてはいけないことに閉口した。例えば電車を降りて駅を出るために10分も歩き、さらに用件を済ませる場所まで歩かなくてはいけない。どんなに駅近のアパートに住んだとしても、勤務先や買い物先が駅から離れていたら何の意味もない。いつのまにか「この街のいったいどこが便利なのだろうか」そんなことを考えるようになっていた。

笑われるかもしれないが片道15分ほど電車に乗るだけでも、他人との距離が近すぎて疲れるようになっていった。ある日の満員電車で、若い女性と中年の男性が向かい合ったままぴったりくっつき、どちらも身動きがとれなくなっているのを目の前にしたときはこれが日常なのかと驚いた。それ以来バックパックは前に持ち替え、その上に両手を置くようになった。ヘタに痴漢を疑われたらどうしようもなくなる。

それならタクシーを使えばいいじゃないかと言われるかもしれない。しかしタクシーと自家用車は同じではない。自分が所有する車なら、ひとたびドアを閉めればそこは自分だけのプライベート空間になる。ドライブしながら好きな音楽を聴いたり、コーヒーを飲んだりできる。もし満員電車に慣れてしまうようなら、ストレスを貯めていることに気がつかないまま体調を壊してしまうだろう。

しばらくして自転車を購入した。注文した自転車が届くと、その日から近隣の行動範囲が広がった。二駅くらいなら駅までの徒歩と待ち時間がなくなるので、自転車の方が早く目的地に着くことも分かった。自発的に移動できる距離は片道10キロがやっとだったが、それでもずいぶんと電車代を節約できた。

たぶん東京の人は、車のある生活がどれほど便利なのかを知らない。都内の高い家賃を払って車を買い、さらに高い駐車料金を払うのはばかばかしいことも分かるが、もし車のある生活を知らずに「東京は車がなくても便利な街だ」というなら説得力に欠ける。

先日、ガッキーの「逃げ恥」をあらためて見なおした。何話目かで、「東京に車は必要ないでしょ」と聞かれたゆりちゃんが「車って自分が思っているより遠くへいけるのよ」と答える。まさに車は便利で自由なのである。要するに車の利点を判断材料にいれないまま、一方的に東京は便利であるとアンケートの結果が出されているのだろう。

では車があれば東京での生活は快適になるのかと想像してみると、そんな事もないとすぐに気がつく。車を買って維持費を確保したとしても、出かけた先のすぐそばに駐車場あるわけではない。それに交通カードが目減りすることにストレスを感じる人間が、移動するたびに支払う駐車料金にストレスを感じないわけがない。

結局のところ「東京は便利な街」と信じていた自分がアホだった。もし田舎者だと言われれば喜んで受け入れたい。

意外と自転車との相性が良かった東京の街と革ジャンのあいつ

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